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2025年11月市会レポート

2025年12月11日

京都市会11月定例市会は11月25日から12月11日(17日間)の審議期間で開催され、11日の最終本会議で「京都基本構想」や補正予算案などの重要議案が可決成立しました。

補正予算は、民間の給与水準との均衡を図るための人事委員会の勧告に基づき、職員や教員の給与を引き上げるものであり、市長・副市長や議員の手当を引き上げる条例案と共に、12月2日の予算委員会における活発な質疑を経て、賛成多数で可決しました。文化振興の「Arts Aid KYOTO」事業は民間の寄付金を活用したもので、京都ならではの魅力的な事業推進が期待されます。

それに先立つ11月28日には、本会議代表質問で各会派の代表10名が登壇。公明党からは兵藤しんいち議員(北区)と、くまざわ真昭議員(左京区)が、市民の生活実感に裏付けられた質疑を展開しました。(写真左)

兵藤議員は、「ひとり親家庭支援」「再犯防止における農福連携」「動物虐待防止の推進」「星空保護区の認定」について質疑。京都市会唯一の“星のソムリエ”議員の面目躍如です。

兵藤議員の質問は、コチラをクリックしてお読みください。

くまざわ議員は、「子ども・若者支援」「保育人材確保」「北山エリアの魅力発信」「クマに関する行政の対応」を論じ、前向きな答弁を引き出しました。保育士出身の生の声に圧倒されました。

くまざわ議員の質問は、コチラをクリックしてお読みください。

12月2日の特別委員会の局別質疑は、1年以上かけて多世代・多ジャンルの方々からなる「京都市総合計画審議会」で協議された上で、一般市民の皆さんからの幅広いパブリックコメントで可視化され、数多くの貴重な意見を踏まえて取りまとめられた「京都基本構想(案)」(2026年から2050年までのビジョン)について、総合企画局への質疑が行われ、6日には松井市長への総括質疑が展開されました。

格調高い序文の後に「京都のかたち」「京都市のいまと未来」「京都市民がめざすまち」「京都を生きるわたしたちのこれから」というテーマで、京都にしかない魅力を自覚し、未来への価値を創り上げる思いを共有した“市民本位”の構想です。「節度と矜持(きょうじ)に基づくひらかれたまち柄」や「世界から敬愛される学藝(がくげい)の府」「協働や響創(きょうそう)を可能とする節度」という聞きなれない高尚な文章に対して、各委員から表現の意味や用語の意義について確認する質問がありました。

わが会派からは「多層的でゆるやかな支え合い」あるいは「ひとりひとりの個性や価値観を尊重し合う」という人間の温かさに着目した建設的な質疑を行なうと共に、「文化」「平和」「環境」「防災」という重要課題に対して人間主義の視座から光を当てる議論を重ねました。

私個人は、「多様性を包摂する寛容な共生社会」を志向するビジョンであると受け止め、新たな価値を創造する人間主義の哲学を基調とする公明党として、心を合わせて未来に京都を切り拓いていこうとの熱い思いを新たにした次第です。

詳しい内容は、京都基本構想(案)(PDF版)に12頁で書かれています。重要な内容ですのでぜひクリックしてご参照ください。

11日の本会議では、「京都基本構想」が全会一致で可決され、5名の議員が討論に立ちました。公明党からは西山信昌議員(下京区)が登壇し、勇気凛々と京都市活性化へのビジョンを論じました。(写真右) 

西山議員の討論に公明党の理念や哲学が盛り込まれています。PDF(2頁)にまとめていますので、コチラをクリックしてお読みください。

さて、3日の文教はぐくみ委員会では、共産党議員団が提案された政策条例「京都市世界遺産保護条例案」に対する質疑が行われましたが、10日の委員会の結了では、条例による規制強化への懸念が示され、反対多数で否決という結果となりました。

土地利用審査会員の任命と人権擁護委員の推薦とともに、市会のペーパーレスに向けた規則の改定が承認されました。

国に送る意見書では、他の会派から「非核三原則の見直しは、核抑止力を強化し核軍拡を強化する」との強い表現のものが出されたので、公明党は「非核三原則を堅持して、被爆の実相についての理解を促進し、核兵器の脅威を周知する」との穏健な対案を提示しましたが、自民や維新等からの賛同が得られず、残念ながら不採択となりました。

公明党からの意見書案に関心ある方は、コチラをクリックしてお読みください。

その他は、「危機的状況にある自治体病院の存続に向けた財政支援を求める意見書」「地方税財源の充実確保を求める意見書」「重点支援地方交付金の拡充と地方自治体への迅速かつ丁寧な支援を求める意見書」「巨大災害発生に対する対応体制整備を求める意見書」「持続可能な社会保険制度の構築を求める意見書」「太陽光発電設備のリサイクル推進及び適正な廃棄処理に関する意見書」「脳脊髄液漏出症患者の救済を求める意見書」の7本が採択されました。

また、「OTC類似薬の保険適用除外等を行わないことを求める意見書」「生活保護基準引上げ訴訟の最高裁判所判決にのっとった対応を求める意見書」は、共産党議員が討論を行ないましたが、賛同を得られず不採択となりました。

決議は「人種差別に反対する声明を発出することを求める決議」と「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金の効果的・効率的な執行を求める決議」の2本が調整に時間がかかりました。公明党は「決議する内容にはそぐわない」」との趣旨で反対しましたが、「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金の効果的・効率的な執行を求める決議」が1票差で採択されました。国会と地方議会では見解の相違がこれからも発生しそうな状況です。

意見書と決議は、京都市会公式HPにアップしていますので、コチラをクリックしてお読みください。

本会議終了後、下村議長と共に記者会見に臨みました。「京都基本構想」や議員の海外派遣、補正予算などについての質問があり、市民のために資する議論を重ねると真摯にお答えしました。これからも説明責任を果たしてまいります。(写真左)

なお、会期中の12月9日、公明党議員団として「物価・エネルギー高騰に関する緊急要望」を松井市長に提出しました。生活必需品購入支援や申請及び事務負担の軽減、迅速な制度設計を求めたもので、市民生活の実情に寄り添う、血の通った施策の推進を期待します。(写真右)

緊急要望のPDFは、コチラをクリックしてご覧ください。

さて、国の物価高騰対策の補正予算を受けて、京都市会でも年内の議決をするべく、12月特別市会が予定されています。休む間もない綿密なスケジュールですが、市民のためという1点で肚を決め、怒涛の前進を誓います。

激動の2025年もあとわずか。新年度予算編成に向けて、市役所では時間がいくらあっても足りないくらいの超多忙な時期になります。私たち公明党議員団は、地に足をつけてコツコツと、「大衆とともに」の立党精神に立ち返って、ブレずに頑張ります!

 

お市会だよりアーカイブ

10月

9月19日に始まった京都市会9月市会は、令和6年度決算や補正予算案などの重要議案を審査し、10月30日に各議案の採決が行われました。42日間の長丁場でしたが、市長提出の65議案が可決成立し、議員間で協議する意見書は6本中4本が採択されました。> 続きを読む

9月

9月19日に京都市会本会議が開かれ、補正予算案や令和6年度決算などを審議する9月市会(通称・決算市会)がスタートしました。10月30日までの長丁場ですが、市民の皆様からお預かりした大切な税金の使い道を徹底して議論する大事な議会です。> 続きを読む

6月

6月6日の京都市会本会議で、新型コロナウイルスワクチン接種などにかかわる補正予算案などの重要議案が可決成立しました。今5月市会は、27日の正副議長選挙で第87代下村あきら議長(自民党)の誕生とともに、私が第97代副議長に就任。> 続きを読む

5月

5月23日に召集された京都市会5月市会では、補正予算案など重要議案が提出された後、週明けの26日の理事会と議運で、正副議長の辞任に伴う選挙が決定しました。> 続きを読む

3月

2月17日に始まった京都市会2月市会は、令和7年度予算案などの重要議案を審査し、3月25日に各議案の採決が行われました。最終日には新年度の常任委員会も確定し、新たなスタートを切りました。前回の「市会だより」に続いてレポートします。> 続きを読む