吉田たかお演説集

2020年5月議会 補正予算賛成討論

令和3年(2021年)3月11日 京阪桃山南口駅前ほか

 ※未曽有の被害に直撃された東日本大震災から10年。「人間の復興」を目指して防災減殺の政策を力強く推進する決意を表明するとともに、新型コロナのパンデミック終息に大きな力を発揮するワクチン接種事業や京都市財政危機克服に尽力する熱い思いを訴えました。当日の早朝は街宣車のフロントガラスが凍るくらいの冷え込みでしたが(写真右)、寒さを吹き飛ばして元気いっぱいに訴えました。

【はじめに】

 ご周辺の皆様、通勤通学中の皆様、おはようございます。平和と福祉の党・公明党の京都市会議員、吉田たかおでございます。平素は公明党の活動に暖かなご理解とご声援を賜り、心より御礼申し上げます。

 私・吉田孝雄は、2年前の4月に行われた京都市会議員選挙において、多くの方々の力強いご支援のおかげをもちまして、伏見区で2期目、通算4期目の当選をさせて頂くことができました。改めまして感謝を申し上げます。報恩感謝の気持ちを忘れず、誠実に謙虚に、地域に根を張った草の根のネットワークで、庶民の生の声を真正面から受け止め、その切実なご意見・ご要望を具体的な政策としてカタチにしてまいりたいと決意しております。

 お陰さまで、この間、たくさんの皆様方からご信頼とご期待を頂戴し、のべ6千件の市民相談を寄せて頂いております。これからも、市民の皆様と行政の橋渡しとなって、京都活性化のお役に立ち、お世話になっている方々にご恩返しをさせて頂きたいと念願しております。

 キャッチフレーズは、吉田がダッシュで『よしダッシュ』、明日の伏見へ『よしダッシュ』でございます。この決意で伏見区内を、そして京都中を全力疾走でダッシュしてまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【東日本大震災から10年】

 さて、本日3月11日は、東日本大震災から10年の節目を迎えました。あの日、一瞬にして多くのかけがえのない命と暮らしが失われました。犠牲となった方々とそのご遺族に哀悼の意を捧げたいと存じます。今なお、4万人以上の方が避難生活を余儀なくされています、心からお見舞い申し上げます。

 私ども公明党は、国と地方の強靭なネットワークで復興のために汗を流してまいりました。住まいの再建やまちづくりなど、ハード面は着実に進んでいますが、長期にわたる避難生活が続く方々へのきめ細かな支援が欠かせません。公明党は、どこまでも弱い立場の庶民の側に立って、被災者お1人お1人に寄り添い、多様化する課題の解決に向け全力で取り組んでまいります。

 10年が経過する中で、「風評被害」と「記憶の風化」という『2つの風』の問題が懸念されています。だからこそ、政治の役割は極めて大きいと申し上げたいと思います。政府や自治体を追求し糾弾して、ダメージを与えて引きずりおろすパフォーマンスでは、結局は政局優先の足の引っ張り合いに陥り、劇場型のポピュリズムが吹き荒れて、社会の分断をもたらしてしまいます。公明党は建設的な提言を重ねることが、真の共生社会を構築すると確信して、地道に頑張っているところでございます。

【人間の復興へ前進】

 10年を経過しましたが、福島の復興は緒に就いたばかりです。東京電力福島第1原発事故からの本格的な復興には、中長期的な対応が不可欠です。国が前面に立って、廃炉・汚染水対策へ道筋を付けるとともに、住民の帰還と交流を促進し、関係人口を拡大していく施策が重要であると確信します。

 その中で、再生可能エネルギーやロボット産業を集積する「福島イノベーション・コースト構想」が進められています。これは、わが国がめざす脱炭素社会とデジタル社会の構築と軌を一にするものであり、福島から世界に広がる新たなビジネスモデルを発信する好機となります。このような産業創出につながる研究開発を充実し、有為な人材を育成するため、「国際教育研究拠点」の実現にも力を注いでいかなければなりません。

 また、ここ数年、地震や浸水など大きな被害をもたらす自然災害が頻発化しています。公明党は、災害に強い社会を作るべく、「防災・減災・復興を政治、社会の主流に」と掲げて、国土強靱化や地域の防災力強化を加速させてきました。

 公明党の提案で設置された復興庁は、被災地で培ってきた経験やノウハウを生かし「より良い復興」への推進力となっています。来年度から第2期復興・創生期間に入り、少子高齢化や人口減少など深刻な課題解決の先進地となる「新しい東北」のモデル作り、そして、世界一災害に強い国土の構築を加速させながら、日本の未来を拓く創造的復興をめざしているところでございます。

 公明党は「大衆とともに」の立党精神のもと、ネットワークの力をさらに強めながら、誰一人取り残すことなく、「心の復興」と「人間の復興」を成し遂げるまで闘い続ける覚悟です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

【コロナ禍の予算審議】

 さて、世界的なパンデミックとなった新型コロナウイルスの脅威によって、市民の暮らしや事業者の経営が深刻な苦境に陥り、まちの活力が失われる危機に直面しています。感染拡大防止と経済活動再起動の両立を、いかに軌道に乗せるか、極めて重大な局面に立っているところでございます。

 コロナ問題が直撃してから丸1年が経過しました。緊急事態宣言は先日ようやく解除されましたが、まだまだ予断を許しません。今まで以上にソーシャルディスタンスに心を砕き、手洗いとうがいを励行して、緊張感を持った危機管理を継続していく必要があると申し上げます。

 現在、京都市会で新年度予算を審議する予算委員会の真っ只中ですが、急きょ中小企業を支援する新たな緊急補正予算が提出されたことで日程が変更され、明日に追加の予算委員会で審議する予定です。これは昨年から数えて通算8回目の補正予算であり、京都市が矢継ぎ早に先手を打っている何よりの証拠であると訴えるものです。

 また、先月に予算を審議する市会が開会しましたが、その初日にワクチン接種の予算案が委員会に付託する形式をとらずに即決で採決され、全会一致で執行されることが決まりました。これからも、京都市民の暮らしを守るため、後手を踏まない政策の推進に尽力してまいります。

 私・吉田たかおは、昨日の予算委員会におきまして、コロナ禍で深刻化する「社会的孤立問題」を取り上げました。DVや虐待、自殺などを防ぐため、地域ぐるみで早期に発見し適切なサポートを打っていく「支え合いのネットワーク」を構築するよう訴えたところです。

 おとといは、保健福祉局に対して、自宅療養者や濃厚接触者の方をケアする保健所がパンクしないよう、マンパワーの拡充とともに弱者に手厚い仕組みづくりへの幹部の意識深化を求めました。同時に、パンデミック終息の決め手ともいわれるワクチン接種事業の円滑な実施のため、様々な課題を1つ1つ検証するなど、30分近い時間をかけてきめ細かく提言を積み重ねました。ワクチン接種実施計画の策定や記録システムの構築などで、具体的かつ前向きな答弁がありました。このことをご報告させて頂きたいと存じます。

 そして、本日の委員会では、ポストコロナの学校教育のため、最新のICT技術を駆使したオンライン授業を取り上げる予定です。公明党が国と自治体を結んで力強く推進した少人数学級や部活動の見直しなど、新時代の施策展開に加え、GIGAスクール構想の前進は喫緊の課題です。厳しい財政危機に直面する中ではありますが、成功に向けて全力でサポートする決意でございます。

【京都市財政危機の克服】

 昨年来のコロナの影響で、多くの方の収入が減少しています。会社やお店の売り上げも大幅に下がっています。これが京都市の財政にどれくらいの影響があるか、はかり知れません。少なくとも、ここ数年は少子高齢化などの要因で収入よりも支出が超過する赤字財政が続き、基金を取り崩して、どうにか凌いでいたのですが、それが限界に近付いていました。そこにコロナが直撃してしまったのです。

 令和3年度以降の予算編成は、段階的に緊縮を続けざるを得ない深刻な状況になっています。「誰が悪い」「いや、あいつが悪い」と戦犯を探し出して責めるだけでは、責任の擦り付け合いに終始してしまいます。痛みを分かち合う中で、全知全霊を傾けて予算化された各事業の詳しい中身を検証して、コンパクトな実行を重ねていくしかありません。

 福祉や子育て支援の中で自己負担の在り方が見直されるなど、様々なシビアな決定を迫られる可能性があります。やむを得ないとはいえ、その中でも特に、「弱者」への配慮を最優先するべきと、公明党は繰り返し主張しています。同時に、莫大な公共事業をすべて削減したり凍結するのではなく、市民の命を守る事業や地域活性化の政策は後退することなく推進していく必要がある、そう強く意見を述べています。

 勇ましい反対論は、一見カッコよく見えます。しかし、口先だけのポーズだけで、具体的な対策を重ねなければ、取り返しのつかない事態を招きかねない危険があります。だからこそ、公明党が国や自治体の中で、与党と野党の「カナメ」の立場で汗をかいて、合意形成をリードしていかなければならない、そう決意を新たにしています。

 京都の未来のため、今が正念場です。震災から10年。人間中心の未来社会を切り開くときです。生命尊厳と人権尊重を基調とする公明党が、血の通った潤いのある共生社会の構築をリードしていくと声を大に訴えさせて頂きたいと存じます。どうか、皆様のご理解とご鞭撻を、私ども公明党に賜りますよう、心からお願いいたします。

 本日は、朝早くから大きなマイクで大変にお騒がせいたしました。以上を持ちまして、ご当地をお借りいたしましての、平和と福祉の党・公明党の京都市会議員吉田たかおの、東日本大震災10年を迎えての街頭でのご挨拶を終わらせて頂きます。ご清聴ありがとうございました。

(1月の緊急事態宣言発出以降、駅前などの街頭活動を自粛していましたが、解除となったので早速に再開しました。多くの方が笑顔で手を振るなど励まして下さいました。心から感謝申し上げます。これからも頑張ります!)