京都市会を分かりやすく皆様にお伝えします。

2023年11月市会レポート

2023年12月12日

11月27日の京都市会本会議で、決算の黒字分や市税増収分を活用した補正予算案をはじめ、職員給与増額、呉竹支援学校工事契約などの議案が提出されました。

補正予算は、人事院勧告に基づいた職員給与や期末手当、共催費の増額に加え、子育て世代が魅力を感じる公園づくり、洛西地域活性化プロジェクト、東部クリーンセンター跡地活用への調査費などのほか、民間保育園の人件費補助金を増額するものです。

私は12月4日の予算委員会第1分科会で、総合企画局に対し「東部クリーンセンター跡地活用」について下記の通り質疑しました。

平成25年に稼働停止しした東部クリーンセンターの跡地活用のため土壌調査を実施する5千万円を補正するが、この土地については、地元住民から様々な声を寄せられている重要課題である。
他都市の同様な計画を参考として有為な計画とすることが大事。表層調査・深度調査の結果によって、再利用の内容や今後の予算にどのような影響があるのか、その結果をしっかり「見える化」で報告するべき。
市民から「この事業によって土地の課題が明らかとなり抜本的解決につながった」と受け入れられることが、今後の有意義な議論につながる。地域の声を幅広く求め、プロセスも尊重し、まさに「市民参加」のモデルケースとなることを期待したい。

それに先立って、12月1日には各会派の代表による本会議代表質問があり、公明党議員団からは、私と中村まり議員(南区)が登壇しました。

副議長を務めていたため、2年以上ぶりの登場となった私・吉田たかおは、「物価高騰対策」「若手職員が活躍する職場風土への改革」「町内会・自治会のデジタル化」「GIGAスクールの前進と通学支援」について質疑。前向きな答弁を勝ち取りました。

質疑の原稿全編は、吉田たかおブログにアップしています。長いですが、コチラをクリックしてお読みください。

4月に初当選した中村議員は、「認知症と共に生きる共生社会の実現について」「ケアラー支援の充実について」「視覚障がい者への防災情報提供の充実について」「パートナーシップ宣誓制度について」の4項目を質疑。女性の視点・当事者の視線を基調にした、慈愛の眼差しあふれる議論でした。

中村議員の質疑は、コチラをクリックしてお読みください。

12月5日の総務消防委員会では、私は行財政局に「総合防災訓練」について質疑しました。下記にダイジェストを紹介します。

関係者の尽力に敬意を表すると共に、今後の課題を共有して前向きに検討して頂きたい。訓練会場から地下展示ブース・公園内の展示ブースへの誘導を強化する必要がある。展示内容やスケジュールの工夫も大事。協力団体等の生の声を重視するべきではないか。
市民が「自分ごと」で受け止めていくためにも、「がれき撤去と救出」「初期消火」「避難誘導」「ライフライン」の訓練について、実効性ある工夫を重ねる必要がある。
行政区や学区の防災訓練でも「避難誘導」を想定する内容を検討するべき。その中で、11月に大阪で試乗した「タンデム自転車」や「自転車タクシー」は有効である可能性があるので研究して頂きたい。

12日の最終本会議では、いくつもの注目するべき「エポック」がありました。下記に箇条書きで紹介します。

補正予算は、職員給与増額や民間保育園の人件費補助金増額があるので、共産党も賛成したのに、維新・京都・国民議員団は反対。国民民主党を支援する労組はどのように受け止めているのでしょうか。
11月に政府が緊急編成し国会で可決した追加の補正予算(困窮世帯7万円給付や燃料費支援、中小企業賃上げ支援)を受け、まず京都市として7万円給付のみを緊急上程し「即決」しました。残余は12月特別市会(12/22~28まで)で審議します。
議員報酬削減として、今任期(2027年4月まで)は20%カットし、総額約5億円を市の予算に組み込むことを「全会一致」で即決。水面下で調整を重ねていたデリケートな案件でしたが、11月に維新の藤田幹事長が公式記者会見で漏らすというフライング事件があり、すったもんだの混乱がありました。現場の不手際を議員団長が理事懇談会の場で謝罪することで収束したものです。
国に送る「意見書」と市会が行政に言い渡す「決議」については、8本の意見書中4本が採択され、決議は6本中2本のみが可決。そのうち「子ども医療費」の決議と「中学校給食」決議は、可否同数となったため、異例の「議長採決」となりました。

※意見書と決議は京都市会公式HPにアップされています。詳細はコチラをクリックしてご覧ください。

中華民国台南市からの招聘を受け、議会間の友好交流の一環として、2月に3日間の日程で5名の議員が派遣されることとなり、全会一致で承認されました。
最終盤の理事会で、国の補正予算成立を受けた「12月特別市会」が正式に決定。20日に議案発送され即日で議案勉強会、22日の本会議で付託された後に週明けの25日に予算委員会、27日に討論決了、28日の本会議で採決というスケジュールです。また、例年は翌年度予算を2月から3月にかけて審議する「予算市会」が行われますが、市長選の影響で3月1日に開会され、27日までの濃厚な日程となることが決まりました。市民生活のために、しっかりと準備を重ねていこうと思います。

波乱万丈の11月市会でしたが、息つぐ間もなく特別市会があり、市長選挙を挟んで3月予算市会です。年末年始返上するとの決意でダッシュしてまいります!!