吉田たかお演説集

2014年9月議会 一般会計決算賛成討論

平成26年(2014年)10月28日 京都市会本会議場

※平成25年度京都市一般会計決算を認定するにあたり、公明党市会議員団を代表して討論演説を行いました。京都活性化への正念場。シビアな検証を積み重ねて、中途半端を排した具体的な改善を求めました。
 

【長期ビジョンの成長戦略】
 公明党京都市会議員団は、報第5号平成25年度京都市一般会計歳入歳出決算、報第8号平成25年度京都市介護保険事業特別会計歳入歳出決算および報第16号平成25年度京都市雇用対策事業特別会計歳入歳出決算について、認定するとの態度を表明しておりますので、会派を代表して討論を行います。

 25年度の一般会計決算の収支は、1億2,100万円の単年度黒字となり、実質収支は19億8,600万円の黒字との決算であります。これは、未来志向で共に汗する協働型の施策と財政構造改革を一体的に進めるべく策定された「はばたけ未来へ!京プラン」のもと、長期ビジョンに立った成長戦略を断行し、職員削減や過去最高の市税徴収率の達成など切れ目なき行財政改革をより一層進めた成果であると評価いたします。

 しかしながら、「特別の財源対策」に依存せざるを得ない厳しい現状は変わりありません。「はばたけ未来へ!京プラン」で示された基本理念や6つの未来像が着実の実を結ぶためにも、局別質疑や総括質疑で我が会派の各委員から厳しく指摘させて頂いた通り、各事業についてはきめ細かく総括し、シビアな目線で検証を積み重ねるべきであります。中途半端を排した具体的な改善に邁進していただきたいと申し上げるものであります。
 

【第1分科会を受けて】
 以下に、平成25年度決算を受け、主要な施策について今後の課題を指摘し、要望いたします。まず、第1分科会で審議された中で、防災危機管理体制の強化についてです。

 25年度は台風18号による甚大な浸水被害が京都市全域を襲った年でありました。その教訓を生かした河川対策や適切な情報伝達の在り方などを迅速に実行された事は大いに評価いたします。しかしながら、今年も3回にわたり集中豪雨や大型台風の被害が発生していますので、中山間地域の防災対策や都市部における浸水対策について引き続き対応力強化に努めて頂きたい。同時に市民の側に立ったわかりやすく効果的な情報発信の推進を要望します。

 次に環境政策についてです。地球温暖化対策の着実な前進が求められていますが、原発停止に伴って温室効果ガス排出量が基準値を超えています。市長は、そのことによって原発依存へ回帰するのでなく、どこまでも環境先進都市として再生可能エネルギーの拡大に取組むとの強い意思を示されており、賛同いたします。そのためにも、京北地域におけるバイオマス化の更なる推進、太陽光や太陽熱発電、都市油田発掘プロジェクトなど、最先端の再生可能エネルギー拡大にむけての取組を積極的に進めて頂きたい。

 ごみ減量政策については、市民のご協力のもと有料指定袋の導入やごみ分別などの推進によりピーク時の4割以上の削減が実現しています。今後も雑がみの分別収集や事業系ごみ減量の施策を徹底させるなど、積極的な施策を進めて頂くよう求めます。

 また、子ども若者総合支援事業の推進をはじめ、公明党が強く求めてきたひきこもり支援センターの設置については、深刻な課題に取り組む保護者の皆さんの願いに応えるものと高く評価いたします。若い世代の方々は、活気に満ちた未来の京都市を価値創造しゆく大きな財産です。市長総括質疑で提案した若者支援政策監の創設についてですが、文化市民局、総合企画局、産業観光局が各々進めている若者支援事業を統括する副市長を筆頭に、その役割をしっかり果たして頂くよう期待します。

 自転車の安全対策については、議員立法である「自転車安心安全条例」に基づいて、関係各局においてソフト・ハード両面の施策展開を進めて頂いています。今後のさらなる充実を求めるものですが、なかでも兵庫県で真剣に検討されているように、自転車が加害者となる事故における賠償責任額が高額となる事案も特別な事ではなくなっていますので、京都市でもTSマークの普及など自転車損害保険の普及を強力に推進すると共に、歩行者も含めた安心・安全対策に取組む事を求めます。
 

【第2分科会を受けて】
 次に、第2分科会で審議された点について申し述べます。まず、生活保護を受給される方への就労支援については、平成22年より開始された「就労意欲喚起等支援事業」が基金給付も含めて1,072名の就労に結び付くなど、一定の成果を挙げたことを評価します。私ども公明党は、生活保護を最後のセーフティーネットとして「トランポリン型」福祉を掲げています。今後も、生活保護を受給されている方々の働きたいとの思いを受けとめ、実効力のあるきめ細かな就労支援を求めます。

 また、本格的な超高齢社会を迎えた今日、誰もが重要な緊急課題と認識している「介護」については、地域包括支援センターが中心となって、高齢者の戸別訪問や介護予防支援、権利擁護事業などアウトリーチ型の介護サービスを着実に進めていることを高く評価をいたします。今後とも、一人一人に寄り添う介護を充実させるため、地域包括ケアシステムを進めていく上で行政が様々な関係機関を調整するコーディネート力が重要であると考えます。行政・地域包括支援センター・各関係機関が連携を図りながら、きめ細かな支援が図れるよう、地域ケア会議のより一層の充実を求めます。

 耐震化促進事業にあたっては、平成27年末までの目標である耐震化90%の達成に向け、鋭意努力をしていただいておりますが、27年度の達成率は79.7%と推計されています。目標達成に向けて加速度を増した取り組みが必要であると申し上げたい。民間建築物の耐震化促進を図る「まちの匠の知恵を活かした京都型耐震リフォーム支援事業」が25年度に入って利用率が伸び悩んでいる状況です。更なる利用を促進するためにも、制度の改善が必要であります。

 あわせて、東日本大震災から4年近く経過し、記憶の風化と市民意識の低下も要因とされているところです。全庁をあげての記憶の風化を防ぐ取り組みと市民意識の啓発が必要であり、より一層の取り組みを求めます。
 

【市民目線の政策立案を】
 いずれにしましても、人口減少時代に突入した激動期にあって、若々しい息吹にあふれた具体的な政策を生み出す創造性が求められています。その視点に立ち、私どもは決算審議で、一つ一つの政策課題についてきめ細かく検証し、次年度の予算編成に資する議論を重ねてまいりました。

 門川市政の正念場ともいえる今、公明党市会議員団は監視やチェック機能にとどまるのではなく、市民の生活実感に裏付けられた政策の立案を積み重ねて、京都市活性化に貢献することをお誓いし、討論といたします。

 ご清聴ありがとございました。

(人口減少時代に突入し、地方分権のエンジンとしての機能強化が求められる中、追求や糾弾ではなく、共に汗を流す前向きな姿勢で、これからも頑張ってまいります)


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