京都市会を分かりやすく皆様にお伝えします。

2021年2月市会レポート

2021年3月26日

3月26日に開催された京都市会本会議で、令和3年度一般会計予算や京都市基本計画など重要議案95本の採決が行われ、賛成多数で可決成立しました。副市長や教育長などの人事案件も同意されました。常任委員会の入れ替えも行われ、私は産業交通水道委員会所属となりました。心機一転頑張ります。

今市会は2月17日の開会から40日間の長丁場でした。コロナ禍と財政危機という「2つの危機」に直面する激動の転換期にある今、財政破綻を回避するための「緊縮予算」が余儀なくされる実状ですが、市民の命と暮らしを守る政策を後退させるわけにはいきません。まさに、胃の痛くなるような激務の連続でした。新年度のスタートを期すこととなり、決意を新たにしています。

開会本会議の翌日に異例の予算委員会が開かれ、補正予算案を徹底して審議。主な内容は、新型コロナウイルス感染症への対応(ワクチン接種業務8億9600万円、コロナ感染入院患者受け入れ医療機関への支援金4億6400万円、介護施設における職員間の情報共有に必要なインカム購入3700万円など)とともに、公共施設(動物園・区役所・証明書発行コーナー・青少年科学センター)のキャッシュレス導入5300万円、持続可能な文化芸術振興5000万円などに加え、公明党が推進してきた不妊治療費助成拡充6400万円も計上されました。

私は第2分科会に所属して、福祉や子育て支援などの課題について、真剣に議論を重ねました。まず、コロナ禍で入院患者受け入れ医療機関への支援金増額及び介護施設支援の増額補正を高く評価するとともに、クラスター防止に神経を使い感染リスクを承知で奮闘する方々の声を大事にするよう求めました。ワクチン接種でもお世話になりますので、きめ細かな具体支援を今後も的確に継続するべきと訴えました。また、風評被害対策に尽力するよう主張しました。(写真右)

また、生活保護費の補正予算が16億7600万円増額されました。昨年のコロナ禍のもとでギリギリ持ちこたえていた人が、1年以上経過して困窮が進み、支えきれずに申請するケースが増加する可能性が心配されます。その中には、生活保護が「期間限定」なのを知らない方が多いのではないかと思います。広報の在り方を見直すよう訴えると共に、一時的な保護申請ならば「扶養照会」や「車保有制限」についても緩和する必要があると問題提起しました。

補正予算案は1日も早く執行する必要があるため、会期末ではなく週明けに結論を出すこととなり、各会派の議員会を受けて討論結了され、月末の本会議にて全会一致で可決されました。緊急事態では党利党略に振り回されず、結束して合意形成が進むことを改めて実感しました。各会派の前向きな姿勢に敬意を表したいです。

本会議代表質疑は、24,25日に行われ、公明党は25日に登場。私は、大道義知議員(南区)、曽我修議員(伏見区)に続く3番手で頑張りました。(写真左)

内容は、今年度議員団政策提言のテーマを敷衍した「人間中心の新しい未来社会『Society5.0』について」を論じた後、「新型コロナウイルス感染症に関する法整備」「コロナ禍の虐待問題」「新時代の学校教育」の3点を具体的に提案し、門川市長らから前向きな答弁を得ることが出来ました。吉田たかおブログに質疑の詳細をアップしていますので、関心ある方はコチラをご覧ください。

翌日は、京都市基本計画特別委員会の質疑。公明党から4名が委員に選任され、3日間にわたる質疑に奮闘しました。私は副委員長として初日に登壇し、市民のいのちと暮らしを守る「市役所の未来像」について問題提起。申請主義から脱却し行政サービス向上のため簡素化するデジタル区役所の重要性を論じると共に、産官学の人材交流を活発化して、最新のイノベーションを使いこなすため切磋琢磨する環境整備を提案しました。この質疑は詳細の“文字起こし”を吉田たかおブログに掲載しましたので、関心ある方はコチラをクリックしてください。

3月4日からは、令和3年度予算案を審査する予算特別委員会の局別質疑が、3つの分科会に分かれてスタート。市民の皆様からお預かりした大切な予算の使い道をシビアに検証し、実効性ある政策に昇華していくための重要な議論を積み重ねていきました。私は都市計画局に「空き家対策」を、建設局に「自転車政策」と「石田大山交差点拡幅工事」を、保健福祉局に「ワクチン接種」と「保健所機能強化」を、子ども若者はぐくみ局に「児童虐待」を、教育委員会に「オンライン教育」と「小栗栖小中一貫校」を質疑しました。

これらは、京都市会HPのインターネット録画中継にアップしていますが、それを活用して“文字起こし”にチャレンジし、吉田たかおブログにアップしました。先ほどのリンク先から移行して頂いたらスムーズに閲覧が可能と思います。ご関心ある方はお読みくだされば幸いです。

22日の各常任委員会は、付託議案を審査した後に重要な政策課題への質疑がエンドレスで続き、何と夜の10時20分まで延々と行われました。私は昨年9月市会で継続審査の末に11月市会で可決した「市税条例」の改正によって均等割非課税であった世帯への福祉施策が見直させてしまう件を論じました。低収入の方への課税に加えて、新たな負担増という「ダブルパンチ」となるため、激変緩和の「経過措置」は極めて重要です。段階を踏む緩やかな内容にすると同時に、三重苦や四重苦にならないよう、きめ細かな対応を求めました。

また、コロナ禍で困窮する方への支援として、矢継ぎ早の補正予算(京都市として通算10回目)が出されました。ひとり親や非課税世帯に子ども1人当たり5万円を給付する臨時の緊急支援策です。この件について、体制を整えて1日も早い通知を実施することと、「就労支援」や「社会的孤立支援」を拡充して、相談窓口などの体制整備を充実するよう訴えました。

23日からの3日間は、市長部局から提案された予算案や条例案の賛否を協議すると共に、議員側から提案の意見書など5議案の調整が断続的に行われました。その結果、共産が提案した「給与条例」改正案は、市長等に加え市職員の給与を削減する原案を見直すという内容であったため、市民の理解は得られないと否決されました。

令和3年度予算案に対しては、共産が組み替え動議を提出した後に反対を表明。その他の全会派が賛成したので可決成立しました。のべ12人が討論に立つという、近年珍しい長時間の本会議となりました。財政危機の中で編成された予算案なので当然とはいえ、だからこそ感情に流されない冷静で真摯な議論が重要となってくると、改めて確信しました。

公明党の賛成討論は、国本議員(左京区)が登壇し、正々堂々と市民目線の政策論争を展開しました。詳しくはPDF版に掲載しましたので、コチラをクリックしてください。

京都市の今後10年のビジョンを示し、政策の大綱を取りまとめた「京都市基本計画~はばたけ未来へ京プラン~」については、自民から修正案が提出され、基金取り崩しと言う禁じ手ありきの在り方から決別する内容にグレードアップしましたが、共産・京都・維新の3会派が反対しました。

各会派の代表が賛否の理由を論じる討論に立ちましたが、民主と維新はなぜか沈黙しました。公明党の賛成討論は、川嶋議員(伏見区)が登壇。意見書調整を担当する中での原稿執筆と言う、多忙を極める中で深めた研鑽の成果を披歴しました。詳しくはこちらもPDFに取りまとめましたので、コチラをクリックしてお読みください。

その後は、議会側から出された議案。まず市会議員の報酬と期末手当を削減して捻出した1億円を基金に積み立てる議案と、公明提案の「LGBT等(性的少数者)への社会的理解への一層の推進を求める意見書」は全会一致で採択。共産提案の「後期高齢者医療保険の窓口負担の2割導入の中止・撤回を求める意見書」は不採択となりました。

「選択制夫婦別姓(別氏)」問題については、国内世論が二分するデリケートな問題のため「拙速」に進めては過激な論争に陥りかねない懸念があるため、公明党は自民提案の「国民的議論」を求める意見書に賛成し、維新提案の「法制化」を求める意見書には反対しました。

ところが、民主が両方に賛成するという態度に出たため、一足飛びに「法制化」を求めるが、段階を踏む「国民的議論」も求めるという、二重の意見書を国に送るという事態になったのです。しかも、それを共産が「自民も公明も反対した」と宣伝に利用したので、まるで公明党が「夫婦別姓」自体に反対しているかのようになってしまいました。ビックリです。

どこまでも公明党は、パフォーマンスではなく真摯な議論を尽くして「合意形成」をリードする決意です。これからも愚直に一本芯の通った議会活動を貫いてまいりますので、ご安心ください。2月市会の審議結果は、京都市会公式HPのページで一括にて閲覧できます。コチラをクリックしてお読みください。

さて、今市会の最終盤で、議員団の体制が一新され、代表幹事を平山議員(西京区)にバトンタッチしました。合わせて市会運営委員会副委員長と理事の役職も交代。心機一転、清新な決意で頑張ります。コロナ禍と財政危機を克服するため、今が正念場です。市民目線でダッシュしますので、今後ともよろしくお願いいたします。!(^^)!