京都市会を分かりやすく皆様にお伝えします。

2019年9月市会レポート

2019年10月30日

9月20日から決算や補正予算案などを審査する9月市会「決算市会」がスタートしました。10月30日までとの1ヶ月以上もの長丁場ですが、市民の皆さんからお預かりした大切な税金の使い道をシビアに検証し、京都活性化に活かす議論を重ねるきわめて重要な議会です。

本庁舎改修工事中のため分庁舎に一時移転した本会議場は、段差やスロープのない仕様で戸惑いもありますが、フレッシュな気分でスタートしました。4階まで階段を上り下りするので足腰の強化に良いですよね。!(^^)!

開会本会議終了後の教育福祉委員会で、10月から実施される幼児教育無償化に関わる条例の審査があり、各会派での協議の結果、27日の本会議で共産党以外の賛成多数で可決されました。

また、補正予算の審議においては、スポーツ振興基金や聖火ランナー、中央卸売第二市場など執行部局提案の議案に加え、議員側から議員報酬減額分を財源として災害復興支援を増額する「修正案」が提出され、全会一致で可決されました。議会改革の意欲的な取り組みと確信します。

9月30日と10月1日は、各会派の代表が本会議場で門川市長に代表質問。公明党議員団からは1日に湯浅光彦団長(右京区)、大道義知議員(南区)、かわしま優子議員(伏見区)が登壇。門川市長に京都市政活性化への建設的議論を展開しました。

湯浅団長は、①経済活性化を進めるための産業連関表の活用、②就職氷河期世代の就労支援、③LGBTにおけるパートナーシップ制度の導入、④歯科医療における在宅診療体制の充実、⑤区役所窓口サービスとマイナンバーカード普及促進の5点を取り上げ質問。前向きな答弁を引き出しました。

また、大道議員は、①動物愛護管理法を踏まえたマナー条例の見直しや、動物虐待対策について、②夜間中学の充実、③学校給食費の公会計化、④京都駅東南部エリアのまちづくりについて、市民相談を受けた現場視点からの論戦を展開しました。これらは翌日の一般紙でも大きく報道されました。さすがです。

かわしま議員は、①ひきこもり等の困りごとへの相談支援体制一元化、②障がい者スポーツの振興、③伏見区の観光振興、④防災対策としてタイムラインの作成について質問。いずれも施策の前進が期待できるものとなりました。

さて、今市会のメインである30年度一般会計決算や公営企業決算などの審査は、10月2日から始まりました。書類審査や理事者説明などを受け、4日から3つの分科会に分かれて局別質疑。私は昨年度に続いて第3分科会に所属して論陣を張りました。

初日の産業観光局への質疑は、中小企業振興や農林業などは同僚の平山議員(西京区)にお任せし、私からは「観光振興」に集中。門川市政を批判する一部会派の委員が「日本人観光客が減少している」とか「観光公害で市民が迷惑している」と声高に叫んで注目を集めており、こうした無責任な非難への反論の意味を込めて議論したのです。

日本人観光客の入洛数においては、災害等の影響で全国的に減少する中を京都市は若干の減にとどめるなど大いに健闘していることが明らかとなりました。シルバー世代が魅力を感じる施策のいっそうの充実とともに、小さなお子さんを育てる家族連れが増加する「ファミリー向けコンテンツ」を提案しました。

今年にNHK記者出身の大学教授による「観光公害」というそのものズバリのタイトルの書籍が出版され、心配になって購入したのですが、京都在住の学者らしくフィールドワークを駆使して、「DMO対策強化」「分散化と標準化」「バス混雑対策」などを紹介して、京都市が先進的に取り組んだ成果を前向きに評価しておられたので、そのことを真摯に紹介して議論を展開。いずれにしても、観光振興については、批判を恐れず勇気と執念をもって積極的な施策展開を進めるべきと提言しました。

また、公営企業である交通局と上下水道局には各々2日間の質疑日程が割り振られ、多角的かつ濃密な委員会となりました。私は、交通局に「決算概要」「市バス混雑対策」「運転士研修」「利用客増加策」「市民サービス向上 」を論じるとともに、地元桃山南口学区の住宅密集地域のコミュニティ交通を取り上げました。インバウンドと市民との共生を深めることはもちろん、利用客増の施策のためにも混雑対策は不可欠と確信します。

上下水道局には、漏水濁水への緊急対策や料金徴収業務、メーター検針などを議論。民間活力の活用の促進と責任の所在、コストパフォーマンスなどをきめ細かく精査して、公共事業における民間の良さをいかに活かすのかを論じました。また、市民の命を守るライフラインの強化として、災害復旧対策の在り方や防災減災についても、突っ込んだ議論を展開しました。

局別質疑を受けて、市長・副市長への総括質疑が10月17,18日に行われ、私は初日の3番手(公明党の1番手)として登壇。「30年度決算の総括」「観光政策」「災害対策と防災減災」「民間活力活用」「市バス地下鉄事業決算」の5点を論じました。

※詳細は吉田たかおのよしだッシュブログに掲載しています。関心ある方は、コチラをクリックしてお読みください。

10月21,22日に常任委員会が開かれ、条例案など付託議案や理事者報告への質疑が行われました。21日の文化環境委員会では、付託議案「証明発行手数料条例改正」については質疑が行われず、「西京極運動公園整備工事契約」には多くの委員が議論に参加。私は局側の真摯な答弁に納得したので質問には立ちませんでした。

環境政策局では、海洋プラごみ問題等に積極的に対応するための「プラスチック資源循環プラスアクション21」の取り組みが報告され、私から「海洋汚染は京都市にとって他人事ではなく、行政と市民が協力して進める施策の推進が重要」と指摘し、まち美化市民行動の強化と参加団体の声を反映するべきと論じました。また、不法廃棄を防止するための防犯カメラ普及活用を求めました。

特別委員会や常任委員会が終わると、各会派で断続的に議員会が開かれ、議案への賛否などの態度を協議。侃々諤々の議論を展開したうえで、29日の討論結了で決着。30日の最終本会議で平成30年度決算が認定され、補正予算案や条例案、監査委員選任案などが可決成立しました。

※審議結果や議案の内容は京都市会公式HPにアップされています。詳細は、コチラをクリックして閲覧してください。

国に送る意見書は、公明党提案の「高齢者の安全運転と移動手段の確保を求める意見書」が各会派の賛同を得て採択されました。また、共産党が提案した「消費増税の撤回を求める意見書」は他会派からの賛同は全くなく不採択となりました。

関西電力の金品受領問題と地球温暖化対策の2つのテーマについては、自民党と共産党が同内容の意見書を提出。慎重審議の結果、政府にダメージを与えることが前面に出た共産案は賛同が得られず、自民案が賛成多数で採択されました。

※採択された意見書は、コチラをクリックすると読むことができます。

決算市会は終了しましたが、議員団としての活動はいよいよ佳境を迎えます。令和2年度京都市予算編成に対する要望書を11月に市長に提出するための検討会が断続的に続きますし、議員団として年間テーマを研鑽して「政策提言」を取りまとめる作業がツメの段階となっています。

11月市会もあっという間に始まります。準備も怠らずに進めなければなりません。来年2月投開票の京都市長選挙も近づき、京都活性化へのビジョンを再構築する活動に忙殺される予感もビンビンです。候補者未定という状況ですが、庶民のために具体的な政策を実現するという一点で、どこまでもブレずに着実に前進する決意です。頑張ってまいります!! (^O^)/